統合失調症になってから、生活のリズムが少し変わった。以前は、何気なく人混みに紛れて買い物をしていたけれど、今はなるべく人の多い時間を避けるようにしている。だから、朝早くに買い物に行くのが習慣になった。
朝のスーパーやコンビニは、昼や夕方とはまるで違う。静かで、空気が澄んでいて、店内に流れるBGMがやけに心地よく感じられる。レジには長い列ができていないし、通路ですれ違う人も少ない。私にとって、それはとてもありがたいことだった。
統合失調症を発症してから、人混みにいると強い不安を感じるようになった。誰かの視線が気になったり、周りの会話が全部自分に向けられているような錯覚に陥ったりする。特に混雑した場所では、それがひどくなってしまう。以前は好きだったショッピングモールや駅前のカフェも、今はなるべく避けるようになった。
だからこそ、朝の買い物は私にとって大切な時間になった。人が少ないだけで、こんなにも落ち着いて買い物ができるんだと気づいた。特売の商品をじっくり選んだり、新鮮な野菜を手に取ってみたり、パン屋さんの焼きたての香りを楽しんだり。そんな些細なことが、私の日常を少しだけ豊かにしてくれる。
朝の空気は、ひんやりとしていて心地いい。道を歩いていると、近所のおばあちゃんがゆっくり散歩をしていたり、新聞配達のバイクが静かに通り過ぎたりする。そんな風景を眺めながら、「今日も一日が始まるんだな」と実感する。
もちろん、病気が治ったわけではないし、気持ちが不安定になることもある。それでも、こうして自分に合った生活リズムを見つけることで、少しずつ前向きに過ごせるようになった。
私は今も、朝の静かな時間を大切にしながら、自分なりのペースで毎日を生きている。
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