編集

レジでの緊張をどうにかしたい話

 買い物は好きだ。新しいお菓子を見つけたときのワクワクとか、季節限定の飲み物を手に取るときのドキドキとか。おしゃれなパッケージのアイテムを見つけると、ちょっと気分が上がる。でも、そんな楽しい時間も、レジの順番が近づくにつれてどんどん緊張してしまう。

私は統合失調症を抱えている。普段は薬を飲んで、なるべく穏やかに過ごせるように気をつけているけれど、どうしても緊張する場面がある。レジはそのひとつだ。

買い物カゴを片手にレジの列に並んでいるときはまだ平気。でも、私の順番が近づいてくると、頭の中がざわざわし始める。「店員さん、私のこと変に思わないかな?」「手が震えたらどうしよう」「お財布からお金をうまく出せなかったら?」いろんな不安がどんどん押し寄せてくる。

前の人の会計が終わり、「次の方どうぞ」と言われると、一気に心臓がバクバクする。足がすくみそうになるけど、なんとか前に進む。カゴをレジ台に置いて、店員さんがバーコードをピッと読み取る音を聞きながら、「早く終わって」と願うばかり。

支払いのときが一番緊張する。財布の中のお札と小銭を確認しようとするけど、手が震えて思うように動かない。後ろに並んでいる人の視線を感じて、ますます焦る。カード払いにすればいいのに、なぜかその場でうまく対応できる自信がなくて、現金を選んでしまう。

やっとの思いでお金を渡すと、店員さんは淡々とお釣りを返してくれる。その瞬間、心の中で「無事に終わった……!」と安堵する。でも、まだ気は抜けない。レシートを受け取り、商品を袋に詰めるまでが最後の難関。焦って袋詰めがうまくいかず、余計にパニックになりそうになる。

お店を出た瞬間、肩の力が一気に抜ける。さっきまでの緊張が嘘みたいに、体の力が抜ける。「今日もなんとか乗り切れた……」とホッとする。

こういう経験、他の人にはなかなか伝わりづらいかもしれない。でも、統合失調症を抱えていると、人との関わりやちょっとしたことがものすごく大きなハードルに感じることがある。頭では「大丈夫」と思っていても、心と体が勝手に緊張してしまうのだ。

だから最近は、少しでもレジでの緊張を和らげるために工夫している。例えば、セルフレジがあるお店を選ぶとか、混雑しない時間帯を狙うとか。支払い方法も事前に決めておいて、できるだけ焦らずに済むようにしている。

それでも緊張することはあるし、完璧に克服するのは難しいかもしれない。でも、自分なりに対策を考えながら、少しずつ慣れていけたらいいなと思う。買い物は好きだから、もっと気楽に楽しめるようになりたい。

レジでの緊張と向き合うのは大変だけど、きっと私だけじゃないはず。同じように感じている人がいたら、「私もそうだよ」と言いたい。そして、お互いに「今日も頑張ったね」と言えたら、それだけで少し心が軽くなる気がする。





にほんブログ村 メンタルヘルスブログ 統合失調症へ